税理士事務所の仕事は、数字を扱う専門職であると同時に、「信頼」を扱うサービス業です。
どれだけ作業が早くても、どれだけ知識が豊富でも、お客様に不安を与えた瞬間に、その価値は大きく下がる。
本記事では、税理士業界で長く選ばれ続けるために欠かせない
**「お客様の信頼を最優先にする考え方」**を、現場目線で具体的に解説します。
自分の作業効率よりも「顧客の安心」を優先する
忙しい繁忙期、件数が重なる月次決算、期限に追われる申告業務。
現場ではどうしても「いかに早く終わらせるか」「自分の作業効率」が頭をよぎります。
しかし、ここで忘れてはいけないのが一つ。
顧客は“早さ”よりも“安心感”を買っている
という事実です。
たとえば──
- 説明が不足したまま数字だけ提出する
- 顧客が不安そうでも「大丈夫です」で済ませる
- 自分は理解している前提で話を進める
これらはすべて、作業効率は良くても、顧客の安心を削る行為です。
税理士の仕事で本当に評価されるのは、
- なぜこの数字になるのか
- 今後どんなリスクがあるのか
- 経営者は何に注意すべきか
を相手の立場で噛み砕いて説明できるか。
ここを疎かにすると、「不安な税理士」「よく分からない先生」という評価に変わってしまいます。
間違いを隠すより「正直に修正する」ほうが信頼される
税理士業界では、ミスを極端に恐れる文化があります。
もちろん、ミスをしない努力は前提です。
ただし、現実として「人がやる仕事」である以上、
100%ミスゼロは存在しません。
問題なのは、ミスそのものではなく、
- 間違いを隠そうとする
- 指摘されるまで黙っている
- 言い訳を並べて責任をぼかす
こうした対応です。
実は顧問先が一番不信感を持つのは、
「何かおかしいのに、正直に言ってくれないこと」。
一方で、信頼を積み上げる対応はシンプルです。
- 事実を正直に伝える
- 影響範囲を明確に説明する
- すぐに修正する
- 再発防止策を具体的に約束する
この流れを誠実に実行すれば、多くの顧客はこう言います。
「ちゃんと説明してくれるなら安心やわ」
「正直に言ってくれてありがとう」
完璧な税理士より、誠実な税理士のほうが信頼される。
これは現場で何度も証明されている事実です。
「正確さ+誠実さ=信頼」という業界の方程式
税理士の評価は、次の方程式でほぼ決まります。
正確さ + 誠実さ = 信頼
- 正確だが誠実でない → 冷たい・不安
- 誠実だが正確でない → 危ない・任せられない
- 正確で誠実 → 長く付き合いたいパートナー
どちらか一方だけでは足りません。
特に若手スタッフや新人ほど、
「知識不足=信用がない」と思いがちですが、それは違います。
知識は後からいくらでも身につく。
しかし、誠実さ・向き合う姿勢・言葉の選び方は、日々の意識でしか鍛えられません。
信頼は「積み上げ型」、失うのは一瞬
最後に、強く伝えたいことがあります。
信用は、
- 日々の報連相
- 約束を守る姿勢
- 丁寧な説明
- 正直な対応
こうした小さな行動の積み重ねでしか築けません。
しかし失うのは、
- たった一度のごまかし
- 一言の雑な対応
- 期限を軽く見た行動
ほんの一瞬です。
税理士業界で生き残る人は、
知識がある人でも、仕事が早い人でもなく、
「お客様の信頼を最優先に考え続けられる人」
です。
もし今、
「自分の仕事は誰のためのものか?」
と迷ったときは、ぜひこの原点に立ち返ってください。
税理士の仕事は、数字ではなく“信頼”を預かる仕事。
この意識こそが、長く選ばれるプロへの第一歩です。


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